鉄道駅のない小さな町、群馬県吉岡町にとって｢道の駅よしおか温泉｣は、最初で唯一の｢駅｣である。オープン以来、地元の人はもちろん道路利用者の利便と拠点として日々賑いを見せている。近接する国道バイパスの新設に伴い、老朽化した既存の温泉施設等をリノベーションし、物産館や屋外トイレを新たに付設して、全体で｢道の駅｣となった。

サイン計画では、不特定多数の利用者がいっぺんで何がどこにあるのかがわかるような明快な表示を試みた。テーマは群馬を代表する上毛三山(赤城山・榛名山・妙義山)やこの地方特有の強い季節風である。いずれも三角形から由来する形を手がかりに、地域特有の個性をフレッシュに再現することを目指した。